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ザルト人と交渉する / アキラ 3

AIショートショート

アキラは、巨大な宇宙船の中央会議室に立っていた。部屋の中央には、光る球体のホログラムが浮かんでいる。これが交渉のテーブルだ。
ザルト人の代表、ゾルガンが現れた。背が高く、銀色の肌を持つ彼らの姿は威圧的だ。
アキラは深呼吸をして話し始めた。「ゾルガン様、我々は平和的解決を望んでいます。この銀河には十分な資源があり、共存は可能なはずです」
ゾルガンは冷ややかな目でアキラを見下ろした。「人間よ、我々の技術力を知っているのか?我々には他者と共存する必要などない」
アキラは冷静さを保とうと努めた。「しかし、資源の乱獲は銀河全体のバランスを崩します。長期的には皆が損をするのです」
ゾルガンは嘲笑した。「短命な種族に、長期的視野など理解できまい」
この言葉にアキラの怒りが爆発しそうになったが、ぐっと堪えた。「我々の寿命は短いかもしれません。だからこそ、一瞬一瞬を大切にし、未来のために行動するのです」
ゾルガンは少し興味を示した様子だ。「面白い考えだ。だが、それが我々にとってどんな利益になる?」
アキラは機会を逃さなかった。「協力すれば、お互いの技術を共有できます。ザルト人の長寿と我々の創造性が組み合わさればー」
しかし、ここでアキラは失言をしてしまう。「もちろん、我々の監督の下でですが」
ゾルガンの表情が一変した。「監督だと? 我々を下等生物扱いするのか」
アキラは慌てて言い直そうとしたが、もう遅かった。ゾルガンは激怒し、交渉は決裂。会議室から立ち去ってしまった。
アキラは肩を落とし、自分の未熟さを痛感した。銀河規模の外交は、想像以上に難しいものだったのだ。

「宇宙の架け橋 / アキラ 4」へ続く

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